原価率。
どんな商売でも材料費を安く抑えようというのは大事なこと。
特に飲食業の場合、原価を30%以内に抑えることはある意味鉄則だった。
今までの自分の飲食業での就業経験から考えても30%っていうのは妥当だったけれど、この本を読んでちょっと考えが変わった。
超人気店の利益構造を実際のメニューの原価を見ることでその原価率が高い=コストパフォーマンスが高いってことについて書かれている。
「安さ」と「コスパ抜群」は違うんだよってことと、他店との「差別化」が大事なんだよ、ってことがリアルにわかる良本。
まぁ飲食業に興味ある人以外読まないマニアックな内容かとは思うけれど(笑)
目次
「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」オーナーシェフ落合務氏が語る「原価率」
第1章 原価率40%だからこそ儲かる
- 原価BAR(東京)
- VINOSITY magis(東京)
- とりとり亭(愛知)
- 道玄坂コックマン/漁十八番(東京)
- cafe SOURCE(鳥取)
- ピアッティ カステリーナ(東京)
サイゼリヤ会長正垣泰彦氏が語る「原価率」
第2章 原価率40%を実現する12のノウハウ
- 炭焼 元相 本店(大分)
- 七輪溶岩焼肉 くろぼうず(熊本)
- 晩酌処 入〼亭(青森)
- 二◯加屋長介(福岡)
- 広島お好み焼き 巧房(福岡)
- JHONNY’sまかない屋(埼玉)
- 半魚人(鹿児島)
- すし蔵 浜田本店(島根)
- いばらき食材と和食 松屋(茨城)
- つけ麺・ラーメン フジヤマ55(名古屋)
- 産地直送仲買人 いぶし銀次郎(沖縄)
- そば処 あさひ(神奈川)
小さな店でも可能な「正しい原価の掛け方」
目次に載っているお店の原価率を知ることができる。
原価率40%だからこそ儲かる
原価率を上げる=いい食材を使うってことでこれはよく分かる。
そしてお得感を出す=コストパフォーマンスが良くなり顧客満足度が高くなる。
そして、満足度が高くなればリピーターが増え、新規のお客さんを連れてきてくれるようになる。
簡単に言うと一貫してこういうことを言っていて、繁盛店はそれができている。
そして、自分でお店を始める視点で言うと、自分が好んで行くお店をじっくり観察してみたらいろいろと答えは出てくるのかな、と。
自己満じゃなくて客目線が大事ってことで、そうすると原価はかけないといけないってことになってくるのかな、と。
自分でもお得(おいしいとかコスパがいいとか)なお店しか行かないからね、やっぱり。
この本に書いてある具体例では「原価BAR」での入場料1500円固定っていうのが面白いなぁ、と思った。
飲み物代はほぼ原価でスーパードライ180円、モヒート120円、高級酒もほぼ原価で出されていてこちらで儲けを出そうとしていない。
儲けはあくまでも空間代の1500円(入場料)というのが面白い。
原価率40%を実現する12のノウハウ
目次で挙げた12店舗の実際のノウハウが書かれている。
これはこれから飲食店を始めたい人や売上が伸びなくて悩んでいる店主は必読。
具体例が書かれているので即実践できることが多いのはありがたい。
客単価と月商も書かれているのでいろいろと参考になる。
そして、こうやってブログを書いていても思うのだけれど、お客さん相手の商売って飲食店もブログも本質は一緒かなぁ、と。
言ってしまえば今働いている営業職も一緒かなぁ、と思う。
自分が自分のお店やブログのお客だとして、今のサービスでいいのか?ってとこが大事で、自己満になってないかどうかはとても重要。
顧客目線にたって、売上やPVを伸ばすためにいろんな工夫をしていってリピートしてもらおうっていうのは一緒だよね、ってこと。
そんななかでどうやって楽しんでやっていけるかっていう感じだよね。
最後に
この本が面白かったのは、飲食店といってもラーメン屋さんから喫茶店、フレンチや和食と様々な店舗の実際の原価率がわかるところ。
そして利益率なども。
ラーメン屋ならラーメンの原価はわかるけれど、喫茶店の原価率とかはいまいちピンとこない。
店によっては原価率120%のものを作ってお得感を出したりといったように、メニューによって原価を上げたり下げたり様々な工夫をしていることがリアルにわかる本っていうのは貴重。
平均月商なんかも書いてくれているのでちょっと飲食業界にいた人ならいろんな指標になる数字がいくつも出てくるところもありがたい。
個人的にはかなり参考になった本。
2012年12月25日に出版された新しい本、興味のある方はぜひご一読を。
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