全国で上限3箇所の統合型リゾートの建設構想。
2025年頃に稼働するのでは?と目されているけれど気になるのはその候補地。
我が故郷である北海道は、苫小牧市、留寿都村、釧路市の3箇所が立候補。
1つの都道府県で立候補地が3箇所もあるのは北海道だけだが、その理由は未開発の広大な土地があるというのが大きいだろうと思う。
ただ、釧路は道産子として見たらなかなかに厳しそう。というのは道東はあまりにも遠い。
北海道観光の中心である札幌からは約300km。
電車で約4時間、バスは約6時間、飛行機だと約45分。
北海道観光の中心から遠いという点で時間とお金のコストがかなりかかるというのが個人的な見解。
外国人が訪れたい観光地ともかけ離れているので、旅行とIRをセットにするというよりはIRのみのために行くというところが厳しい。
その点留寿都村は有力な候補地だ。
ルスツリゾートが中心となり中国の投資家とも提携するなど精力的に動いている。
特に富裕層をターゲットにしたプライベートジェットの発着場を作る計画や、世界ナンバーワンと言われるパウダースノーを誇る冬の観光は世界中の人々を魅了する。
そんななか、北海道はIR3候補地を一本化することを2017年7月に決定。
2018年6月にはその候補地が決まると予想されている。
そのような状況だか、私は苫小牧市(とまこまいし)を推す。
苫小牧を推す1番の理由は私が苫小牧出身だということもあるが、それ以外にも明確な理由があるので述べてゆく。
1.新千歳空港がとにかく近い
国内のみならず世界的に有名な観光地である北海道。
その北の玄関口が新千歳空港だ。
ほとんどの人は飛行機を利用して北海道を訪れる。
その出入り口が新千歳空港。
苫小牧市はその空港のある千歳市と隣接している市で、建設が予定されている植苗あたりは手つかずの自然も豊富でとにかく広大。
個人的な見解ではおそらく新千歳空港から直接IR施設へ行けるように交通機関が新たに作られるはず。
そうなると空港到着後バゲッジクレームを経て10分後にはカジノへ到着!なんてことも可能になってくる。
また、その逆もしかりで、北海道観光を終えて、最後の楽しみとして苫小牧IRで遊んで行くという楽しみ方もできる。
到着してすぐにIRを利用するか、帰る前にIRを利用するか、そういった利用ができるのは空港が近いから。
また、長期滞在する外国人観光客にとっては、日本全国の人気観光地をくまなく回る人も多い。
ただ、長期滞在の観光で最も時間が取られるのが移動。
その点国際線もアジアに豊富に路線がある新千歳空港は直行便もあり、羽田や関西への便も多い。
東京、大阪、京都の観光をした後にトランジットで新千歳空港に寄り、苫小牧IRを最後に楽しんで母国へ帰る、そんな利用の仕方も増えてくるだろう。
出張で全国を飛び回った経験から言うと、とにかく空港が近いというのは最強。
2.経済波及効果が最も高い
苫小牧IRの経済波及効果は2850〜4650億円と試算され、留寿都村(1681〜2865億円)、釧路市(1570〜1950億円)の候補地に比べて最も高い。
3候補地 調査結果サマリー
・苫小牧市=経済波及効果2850~4650億円 雇用創出2万6800~4万4100人 年間利用者数223~378万人
・釧路市 =経済波及効果1570~1950億円 雇用創出1万4300~1万8100人 年間利用者数 25~ 40万人
・留寿都村=経済波及効果1681~2865億円 雇用創出2万4520~2万6523人 年間利用者数150~206万人
また、その額の振り幅が大きいのも特徴で約2000億円の振り幅がある。
昨今のインバウンドの増加率も予想を上回っているように、経済波及効果の振り幅が大きいということは相当な効果を期待できると個人的には考える。
経済波及効果が高いということは雇用の創出も相当数見込め、26800〜44100人の雇用創出が見込めるとの試算も出ている。
苫小牧市の人口は約17万人ということを考えるとその経済効果の高さは計り知れない。
3.土地が広大
今私は奈良に住んでいる。
この関西で感じるのは、大阪も誘致に相当力を入れているということ。
ただ、誘致場所の夢洲は人工島。広さに限界がある。
苫小牧IRの建設予定地である植苗あたりはとにかく広大。
手つかずの自然にあふれていて電車の車窓から見ても草ボーボー。ここにどんなものができるのだろう?と考えただけで土地が広大なのでどんなことでもできるとしか感じ得ない。
そんなところも経済波及効果の振り幅の大きさに現れているのだろうなと感じる。
作ってしまった土地を使わなければならないのか、手つかずの広大な土地を再開発するのか、この意味は工事や構想をする上でリミッターがあるのかないのかという点でも変わってくるのではないかと考えてしまう。
事業者へのアンケートでも苫小牧が1番人気だというのも理解できる。
そのぶん建設費用は多くなるのだろうがおそらく回収はそれほど難しくないと推測する。
ちなみに、すぐお隣の苫小牧市の住宅地である拓勇地域は全国有数の発展地域。
若い世代がこぞって家を建てて子供を育てている地域。
この少子化のご時世に中学校も新設されるようなエリア。私の実家もこのエリアにある。
子供たちが育ち、若者になって成人し、社会人になる際に雇用の拡大が見込めるのは市として全力で取り組むだろうし、自治体の一体感はかなり強い。
苫小牧は小さな街なのでカジノ=ギャンブルという反対層の意見を大阪や横浜などの大都市よりまとめやすいのでは?とも思う。
誘致合戦にはそういった点も重要な要素になってくると思われる。
4.北海道日本ハムファイターズの本拠地移転
2023年春に開業予定の北広島ボールパーク。
北海道日本ハムファイターズが札幌ドームから移転する本拠地だ。
北広島市は札幌市と千歳市の間にある市でこちらも広大な土地があるエリア。
球団は球場だけではなく、ホテルやショッピングモールなどの一大レジャー施設を作る構想で、世界一のボールパークを目指すと公言している。
プロ野球の試合がないときでも集客を見込めるように作るのは確実で、そうなると北海道観光の流れが変わっていく可能性がある。
従来だと新千歳空港に到着する→札幌へ、という人の流れが、新千歳空港→北広島→札幌という流れに変わる可能性があり、また逆も然り。
苫小牧IRと関係なさげに思えるかもしれないが、今まで素通りされてきた千歳→札幌間に注目が集まることで、反対側の苫小牧IRにも確実に目が向く。
というか、苫小牧IRはおそらく新千歳国際空港と一体化された考え方になると個人的には考えているので、今まで空港を利用するだけだった千歳の周囲が一躍世界的な観光スポットになる可能性を秘めてきた。
道産子として地元民としてこれは非常に嬉しいし、苫小牧〜札幌の間にリゾート施設の建設ラッシュはこれからの北海道の観光地としての成熟さにおいても頼もしいものになるだろう。
5.北海道であるという魅力
あえてIRをカジノと言わせてもらうと、
家族旅行とカジノ
新婚旅行とカジノ
卒業旅行とカジノ
スポーツ観戦とカジノ
非日常とカジノってすごく相性がいい。
私も新婚旅行で客船の中でカジノを楽しんだ。
日本人の行きたい観光地No.1は北海道。
そして、世界的大観光地でもある北海道。
北海道に旅行に来る人はさまざまな理由でやって来る。
夏でも利尻や礼文島では高山植物が撮影できる希少性。
ニセコのパウダースノーは世界一。
誰もが認める大自然。
食事の美味しさは世界一。
これらは非日常だ。
そして空港が近いことによりカジノで勝っても負けてもサクッと空港に行き、飛行機に乗って空をまたぎ、陸に着いたら忘れる。
北海道人のざっくばらんな性格もカジノ側の働く側の人間として向いているようにも思う。
苫小牧IRはそんな位置付けがいいのかと。
私は苫小牧市で生まれ高校卒業まで暮らした。
現在は奈良市でラーメン店を営んでいるが、苫小牧IRが実現されるように願っている。
苫小牧が世界的な都市になることを期待している。
コメント
すばらしい考察だと思います 同感です
IR建設地は3つまでとされてます かつ、その内2つは横浜、大阪でほぼ決まりという見方が大勢であり、実質残りの1枠を苫小牧と佐世保が争う形になると思います 大阪万博が決まった今、大阪はもうほぼ確実と言っていいでしょう
愛知でも誘致に向けた動きがあるようですが、さすがに、3つのIRがすべて三大都市圏に奪われる、ということはないと思います ただでさえ、中央新幹線が建設中で、開通すれば、名古屋は東京、大阪と一体の都市圏になるわけですし、今も、名古屋城天守閣木造復元やジブリパークや、2026年度アジア競技大会に向けた整備などが進んでるわけですし
私は、九州在住なので、個人的には佐世保を応援したいとこですが、しかし日本人として客観的に見ると、佐世保より苫小牧の方がいいと思います
まあ、厳密に言うと、苫小牧、大阪、佐世保の3つがベストだと思うのですが あくまで、残り1枠を苫小牧と佐世保のどちらかにするなら、苫小牧の方に軍配が上がる、ということです
まず、佐世保は、ハウステンボスがあるからいいじゃん、という話です 佐世保陣営の「佐世保にはすでにハウステンボスというIRに活用できる施設があるから、佐世保、ハウステンボスほどIRに適したとこはない」という主張は、私は全く理解できません
IRができるとなると、期待するのは、「どんな近未来的な施設ができあがるのか」、ということです みんなの頭の中にあるのは、シンガポールにあるマリーナ・ベイ・サンズなどでしょう
事実、苫小牧側が公表してるIR予想図は、SF映画に出てくるような光景になっており、ワクワクさせられます
しかし、ハウステンボスを使う、となると、なんのワクワクもありません ハウステンボスは古いですし、そんなひびだらけの建物を利用されても、たまったもんじゃありません
そして、苫小牧の話に戻りますが、北海道は輝かしい未来があります ニセコは、スイスのサンモリッツに並ぶほどの、世界的ブランド力がどんどん強くなってますし、来年にはリッツカールトンやハイアットなどの外資系の大型リゾートも開業します 2023年には北広島に北海道ボールパークも開業します このIRのこともありますし、2030年の冬季オリンピックの誘致もあります もし苫小牧にIRができれば、北海道は無敵でしょう
また、新幹線好きの自分としては、北海道新幹線の札幌までの延伸後の動向も決まります 今の整備計画路線の北海道新聞は、札幌のあと、さらに旭川まで延伸する計画になってます しかし、その計画ができたのは何十年も前の話ですし、今となっては、北海道新幹線が旭川まで延伸される可能性はほぼゼロと言えるでしょう となると、次は基本計画路線からの格上げ、という話になってきますが、基本計画路線には、北海道にはもう一つ、北海道南回り新幹線というのがあります これは、札幌から千歳、苫小牧、室蘭などを通って長万部で北海道新幹線と接続する路線です こちらも、もう実現可能性は低い、と言われてましたが、苫小牧にIRができるなら話は別です しかも、思いもしなかった、北海道日本ハムファイターズが札幌から出ていく、ということにもなりました 北広島には元々三井アウトレットパークがありましたが、それに加えボールパークまで出来るとなれば、そして苫小牧にIRができるとなれば、今は基本計画路線である北海道南回り新幹線が、整備計画路線に格上げされ、札幌-北広島-千歳-苫小牧 間が開通される可能性も出てきます そして、苫小牧IRの成功具合によっては、観光としても名高い、登別までも延伸されるかもしれませんし、もしかすると長万部まで伸びて北海道新幹線と接続されることだってあるかもしれません
まあ、苫小牧以降が建設されるかは置いといても、苫小牧にIRができるなら、新幹線の札幌-北広島-千歳-苫小牧 間は間違いなく建設されるでしょうし、経営難のJR北海道にとっても、利用者がぐんと増えるのであれば、大変喜ばしいことだと思います
されに言えば、警察のこともあります IRができるとなれば、やはり一番不安になるのが治安の面ですし、地元警察との連携は欠かせません そして北海道警察と長崎警察を比べれば、北海道警察に軍配が上がるのは言うまでもありません その分かりやすい例が、特殊部隊、SATです SATが配備されてるのは、全国の警察の中で、北海道、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、沖縄だけです 北海道は新千歳空港があることや、首都圏から向かうには時間がかかることなどから、SATが配備されています それだけでなく、あらゆる点で、北海道警察が長崎県警察より優れています
あとは、著者のおっしゃる通り、広大な土地、というのも大きいです これは北海道のもつ特権でしょう
あと、佐世保陣営は、中国資本と手を結んだ、というのもマイナスです 苫小牧は、今のところアメリカ資本と手を結んでいます まあもちろん自国の資本がいいですが、アメリカと中国、どちらかをとるなら同盟国であるアメリカ、というのは言うまでもないでしょう ただでさえ、北海道の土地がどんどん中国に買い取られて行ってるのが問題になってるわけですし
長文になりましたが、こういったことなどから、私も、苫小牧を推します
しかし、BESTは、苫小牧、大阪、佐世保だと思っています 東京一極集中が問題になってる今、首都圏の横浜にIRをつくるというのは全く賛同できません
しおさん、コメントありがとうございます。
新幹線や自衛隊、中国のことなども含めて非常に勉強になりました。
私は奈良在住の道産子なのですが、関西にいてみて大阪がほぼ確定なのは感じています。
横浜が確定かどうかは感じていないのですが苫小牧は最も成功する可能性のあるIRだと思っています。
苫小牧、大阪、佐世保に決まるといいですね。
お返事ありがとうございます
前コメントの後、まさかの高橋はるみ北海道知事の参院選への鞍替え、という驚きのニュースが入ってきたので、またコメントさせていただきました
元々、北海道で圧倒的勢力を誇る北海道新聞が、反日、反自民、反安倍の論調であるため、道民の多くがその洗脳状態にあり、国政選挙や地方選挙などで、北海道は自民党などの保守系候補が弱いことで知られています
札幌市長も、自民系が全然勝てません リベラル系の無能な市長を札幌市民が選んだため、G20にも名乗りを上げない、五輪招致も遅々として進まない、日本ハムファイターズにも逃げられる、という悲惨な状況になっています
そんな北海道において、中川王国も亡き今、自民党にとって唯一の救いが、自民党系の高橋はるみが北海道知事で長期政権を敷き、かつ高い支持率を維持してることでした
なので、苫小牧、留寿都のIR誘致も、道の反対に合うこともなく、スムーズに物事が進んでいました
しかし、高橋知事が退くとなると、話が変わってきます 来年春の道知事選で、もし立憲民主派の候補が勝利すれば、北海道IRの話は霧散します
さっそくメディアでも、来年の道知事選では、IR誘致が争点になる、と報道されています
先日行われた和歌山県知事選挙でも、IRが一番の争点になり、誘致派の候補が圧勝しました
高橋知事が退くとはまさか思っていなかったので、途端に不安になってきました
来年の知事選で自民系、保守系の候補が勝てばいいのですが、もし立憲民主系、リベラル系が勝てば、北海道のIR誘致の話はなくなるでしょう 首都圏(東京or横浜)、近畿圏(大阪or和歌山)、中京圏(名古屋or常滑)、佐世保のいずれかに3つの枠を奪われるでしょう
残念ながら、北海道では自民系候補は不利な上、道民の世論としても、IR誘致に反対、という声が圧倒的に多いので、苫小牧IRは、もう難しいかもしれません
自民系候補が勝てることを祈るばかりです
あと、前回のコメントの、北海道には明るい未来がある、という中で書き忘れてましたが、広瀬すず主演の来年の上半期朝ドラ『なつぞら』は北海道の十勝が舞台であり、ロケ地観光需要も期待されてますし、2030年には北海道新幹線の函館ー札幌間も開業予定です
余談ですが、来年春の道知事選挙とほぼ同時期に、札幌市長選挙も実施されます そこでも、自民系の候補の勝利を祈っています 少なくとも、今の無能な秋元市長には退陣してもらいたいです 本人は二選に燃えてるようですが
2030年冬季五輪誘致含め、札幌市長は日本にとっても非常に重要です 北海道唯一の政令指定都市であり北海道の屋台骨である札幌は、今の福岡市長のような、優秀なリーダーが必要です
私は、苫小牧ほどIRに適したとこはない、と思っていますし、当の苫小牧市がIR誘致に積極的、というのは本当にありがたく、貴重なことだと思っています どうかこの芽が潰されないよう、祈ってます
う〜ん、これは急展開ですね。
個人的には苫小牧IRを願っている者ですのでこれからの状況を注視しつつ地元の情報を抑えていきたいと思います。
今回も貴重な情報ありがとうございました。