2013年6月に脱サラしてラーメン店を開業しました。
ただ、構想自体は実際に開店するずっと前から思うところはあって、iPhoneのメモに箇条書きで個人的な『開業日記』として書き溜めていました。
今読み返してみると机上の空論な部分は否めませんが、2010年頃から2013年5月までの開店前に書いたメモ書きのまとめです。
2017年の今でも読み返してみると「なるほど!」と思うところも多少はあるので書き記しておきます。
※メモ書きは当時書いたものをそのまま書き写していますが、<h2></h2>の小見出しは2017年7月に文章をわかりやすくするために書いたものです。
- 1. ラーメン屋をしようと決心するもお金がない!
- 2. 開業するなら場所はどこ?お金は融資?
- 3. 食品衛生責任者の資格が必要
- 4. 金融機関からの融資を受けなければ開業できない!
- 5. 東日本大震災後に思ったことはやっぱり資金のこと
- 6. 俺はサラリーマンから逃げるのか?
- 7. ミッションステートメント決定!
- 8. 集客方法とインターネットと
- 9. 店舗に求める条件は?
- 10. 開業したらネット上でやろうと思っていること
- 11. お店での想定経費と家庭で実際に掛かった金額
- 12. プレスリリースについて
- 13. らーめん春友流のサイト案
- 14. ラーメン屋になった理由
- 15. 退社と夢について
- 16. 開店にむけて必要なもの
- 脱サラーメン屋店主のまとめ
1. ラーメン屋をしようと決心するもお金がない!
2010/12/17記述
2010年12月17日、ラーメン屋をやることに決めた。
開業(個人店主ね)するための本も買った。
懸念材料は貯金がないこと。
家も社宅なこと。
会社辞めたら住む家なくなる。
営業だったから車も貸与されてた、プリウス。
だから車も無くなる。
まぁ車はいいとして、問題は家。
敷金、礼金、前家賃でいったいいくらかかるんだろう?
引越し代も相当な額だし。
いったいいくらかかるのかちゃんと算出しよう。
37♂外資系医療機器のルート営業。
年収800万円。
奥さんと幼稚園の子供2人。
で、まずは辞めたときに退職金やら、自社株の売却やらでいったいいくら入るのかを計算。
なんと100万くらいにしかならないと判明。
引越し代と敷金、礼金で飛ぶ金額。
あとは持ってる株を売ったりなんだりで100万円くらい。
子供の幼稚園代と学資保険代は一括で払ってるからいいとして、ざっくり見積もっただけでも開業資金なんて無いことが判明。
どうする?俺。
これで辞めたら家族が路頭に迷う。
目標は2011年の夏のボーナスをもらったら開業すること。
まだサラリーマンなので毎月収入あり。
手取り33万円くらいでボーナスは年間100万×2。
2. 開業するなら場所はどこ?お金は融資?
2010/12/17記述
開業の本を読みはじめる。
まぁ、ほぼ銀行や信金で借りて開業する人が多いのはわかっていたけど、全てを借りて始めるのは不安なので来年の夏のボーナスを合わせて150万円にはしたい。
で、当面の生活費を融資してもらう方向で考える。
悩んでいるのは場所だ。
やはり一国一城の主になるには都内がいいような気もするが、家賃も高い。
ラーメンの値段は都内なら700円、それ以外なら600円と決めている。
今は横浜に住んでいるが思い入れはあまり無い。
私の出身は北海道で、奥さんの出身は奈良だから。
なので、開店候補地にも入っている。
場所を決める方法が今のところよくわかっていないので調べよう。
できれば居抜きがいい。
東京なら居抜きが多いかもしれない。
あとは、リアルに一日の出費のシュミレーションをしてみなければならないだろう。
ガス代、電気代、電話代、トンコツ代、鶏ガラ代、チャーシュー代、メンマ代、ネギ代、スープに入れる野菜代、麺代、ラード代、カツオぶし代、etc
まあ、おいおい追加してゆく。
3. 食品衛生責任者の資格が必要
2010/12/17記述
飲食店を開店するにあたって必要な資格も取らなければならない。
調理師免許は必要ない。
要るのは食品衛生責任者の資格。
確か一日の講習で取れる資格。
これを取りに行こう。
【補足】2017年の開店してから丸4年経った今も調理師免許は取っておらず、食品衛生責任者の資格で営業しています
4. 金融機関からの融資を受けなければ開業できない!
2011/1/11記述
年が明けた。
今年何とか開業したいと思っていたが無計画すぎることに気付く。
そりゃあそうだ。
子供が二人とも幼稚園で、上の子はあと卒園まで一年ある。
住宅は家賃補助で3.4万円しか支払っていない。
引越して家賃払って、開業資金などあるわけがない。
きちんとした事業計画書を作成して、金融機関から融資の申し込みをしなければならない。
まずはその辺りをきちんと調べよう。
そしてその手順もきちんとブログに残しておこう。
そんな新年一発目の開業日記。
5. 東日本大震災後に思ったことはやっぱり資金のこと
2011/3/24記述
去年買った本をしっかり読んでみようと思った。
開業のための本を。
東日本大震災もあった。
そして、リアルに自分の資産がいくらなのか知らなければならない。
いったい会社を辞めて何ヶ月暮らせるのか。
開店資金は借りるとしても引越し代と生活費がいくらあるか知らないといけない。
【補足】想像を超えたことが起きた場合はどうするのか?というのは2017年7月現在の今でも思うところですが、丸4年経ってみるとなんとかなる(金融機関との付き合いとか資産運用とか)ものだということもわかってきました。
6. 俺はサラリーマンから逃げるのか?
2012/5/16記述
ラーメン屋をやるのはサラリーマンからの逃げじゃない?って奥さんに言われた。
反論できなかった。
足元を固めようと思った。
7. ミッションステートメント決定!
2012/9/7記述
お店の使命を店内に掲げる。(ミッションステートメント)
その言葉は、
『ラーメンで笑顔』
8. 集客方法とインターネットと
2012/10/9記述
お客さんが店に来るきっかけを増やせるかどうか。
そのコツがSNS。
自分のブランディング。
ブログはこのままでお店はFacebookページで運用。
ブログのタイトル横でお店のコマーシャルバナー
ここに書いたことのすべてをブログネタにする
やることチェックリストの作成
店舗選びチェックリストの作成
必要機材チェックリスト
家賃が安い居抜きである程度売れるようにしないとどこでやっても同じような気がするのでリスクを低くしてSNSで集客する
上永谷から自転車でいける範囲の距離で探す
9. 店舗に求める条件は?
2012/10/10記述
道は広いか
駐車場は周りにあるか
Uターンできるか
昼間や夕方に渋滞するポイントはダメ、朝だけならオッケー
周りに駐車場付き大型店舗があるかどうか
近隣を歩いている歩行者は男性が多いか
トイレ付きビルがベスト
10. 開業したらネット上でやろうと思っていること
2012/10/10記述
Facebookページ作成
自動で開店の近況報告
ブログトップページにバナー広告
月ごとの収支報告
(回転率、客単価、売り上げ数、売り上げ額、粗利、)
11. お店での想定経費と家庭で実際に掛かった金額
2012/10/28記述
家賃10万円以下で席数15~20席ほどの居抜き店舗探し
アルバイト代月20万円
麺代 1個60円で1日100個で25日稼働で15万円/月
水道光熱費50000/月
材料代(ガラとチャーシュー、野菜、香辛料)25万円/月
一月の売り上げ1杯600円として1日60000円の25日稼働で150万円/月
上で計算すると粗利85万円/原価率43%
1杯700円だと粗利110万円
650円だと粗利97.5万円
1杯600円で半分の売り上げだと粗利32.5万円/
ここから生活費
家賃13万円保険料2万、住民税4万円、所得税、法人税、社会保険料などトータルで25万円が引かれるたのが生活費
営業時間は10:30~21:30
仕込みは朝と休憩の2時間
680円で1日100食だと68,000円。
25日稼働で1700000円。
原価率44%で、952000円が残る。
原価率33%だと1139000円が残る。
家賃185000円、
水道光熱費50000円
借り入れの返済100,000円
ここから家庭で作った経費内訳。
1杯のスープの量は約450cc。
寸胴は直径30cm×高さ30cmなので水の分量はびっちり入れて21リットル。
この寸胴で1回の仕込みで作れるスープは20杯分。
容量は9リットル。
寸胴半分まで煮詰めてスープを作ると約6リットルできるのは最終的には寸胴の7.5割くらいまで煮詰めると20杯分いけそう。
材料は、
豚足2本(800g) 100グラム39円=312円
豚背骨(1.6Kg) 100グラム29円=464円
ゲンコツ2本(1Kg) 100グラム21円=210円
モミジ(600g) 100グラム20円=120円
背脂(300gスープに直接入れる分) 100グラム20円=60円
鰹節(片手でひとつかみ)10g=30円
ネギ3本=198円
しょうが3切れ=30円
ニンニク1個=160円
豚肩ロース(1Kg) 100グラム70円=700円
メンマ(500g)=400円
麺(業務用)1個60円=1200円
かいわれ2パック80円
醤油1リットル=300円
タマネギ1個=60円
卵10個=200円
合計4,524円。
1杯当たりの材料費は226.2円。
一杯680円で15杯だと10200円。
原価率44%
20杯だと13600円で原価率33%
【補足】水道光熱費は実際は15万円ほど掛かるし、償却資産税や消費税、税理士への支払いなどお金(経費)は上記以上に飛ぶように出ていく(涙)
12. プレスリリースについて
2012/10/28記述
ブロガーでラーメン屋を始めることをマスコミ各社に流す。
自分の書いたものを添付して。
売り込み方は、現在に「脱サラしてラーメン屋をやることのノンフィクション取材」
それをブログに書いていくことを明記する。
北海道弁「なまら」という言葉を使ったブロガーが横浜で脱サラしてラーメン屋を始めようとしているぞ、と。
しかも無化調だよ、と。
醤油はこだわらないとダメだね。
13. らーめん春友流のサイト案
2013/1/15記述
【トップページ】
スライド式に画像が切り替わる(らーめん、春友の作業中写真、湯切りしている写真、客が食べて笑顔になっている写真)
・店主ブログなまら春友流の紹介
《写真の上に載せる言葉》
らーめんで笑顔
化学調味料不使用
バランスの取れた新感覚らーめん
・トピックス
・営業時間のご案内
・アクセスカウンター
【個別ページの作成】
・トップ
・メニュー
・理念
・らーめん春友流スタイル
・春友らーめんの楽しみ方
・店主「春友」とは?
・店舗案内
【フッター】
・サイトマップ
・お問い合わせ
・Facebookページ
・TwitterやFacebookボタン
【補足】今はFacebookページのみでお店のサイトは運営しています。
理由はデータベースを誤って削除してしまったから!!(涙)
14. ラーメン屋になった理由
2013/1/18記述
私がなぜサラリーマンを辞めてラーメン屋になったのか?
独立してお金を稼ぐために必要なことって何なのか?
自分が誰かに喜んでもらえることって何だろうか?
人に喜んでもらいながら家族を養い、自分も楽しい、それって何だろうか?
15. 退社と夢について
2013/2/27記述
本日が最終出社日となりました。
お世話になった会社の皆様、お客様の皆様、本当に長い間ありがとうございました。
私はこれからラーメン屋を始めるわけですが、ラーメン屋を始めるにあたって人と話す際に多少気になることがあったので書いてみたいと思います。
脱サラしてラーメン屋を始めると言うと、99%の人には驚かれます。
残りの1%の人は全く僕に興味のない人です(笑)
そして、僕がラーメン屋を始めたいと言うと多くの人が夢をかなえるのですねと言ってきます。
でもその夢が叶ったというのはちょっと自分の中では意味合いが違っていて、ラーメン屋を始めること=夢が叶ったということでは決してありません。
僕にとって夢というのはあくまでも家族が死ぬまで不自由なく暮らせることであって、ラーメン屋をするということはその夢の実現のための1つの手段に過ぎません。
家族を養うために収入を得て仕事をするということです。
今まではサラリーマンとして働き会社から収入を得てそれで家族を養ってきました。
収入を得て働くことはサラリーマンであろうと、ラーメン屋であろうと、ノマドワーカーであろうと変わらないことだと思います。
私にとってはその選択肢の1つにラーメン屋を開業するということがあり、このままサラリーマンを続けていくよりも、ラーメンを食べてもらった方が人を笑顔にできると思ったのでラーメン屋を始めるという結論に達しました。
16. 開店にむけて必要なもの
2013/5/8記述
エプロン、ユニフォーム、ズボン、長靴
箸入れ、胡椒さし、餃子のタレ(注文時に持っていく?)、酢入れ、ラー油、爪楊枝さし、ニンニク入れ、魚粉入れ、レンゲ入れ
トイレ掃除道具、詰まった時のずっぽん、流せるお掃除シート、消臭力、トイレットペーパー、汚物いれ、使い捨ての手拭き
領収書、店の角印、個人印鑑、メモ帳、ボールペン
クレ556、食器用洗剤、マジックリン、雑巾、モップ、クレンザー、タオル、ゴミ袋、ビニール袋、ゴム、クリップ、メジャー、
ハサミ、ホッチキス、カッター、テグス
うちわ
脱サラーメン屋店主のまとめ
以上iPhoneのメモに書いてあったものを書き出してみました。
お店を横浜でオープンしたのは2013年6月21日なのでその前に書いたメモ書きとなります。
脱サラして飲食店を開業する人はとにかく創業資金をかけすぎる傾向がある(←僕です)。
逆にというか脱サラではなく修業して開業する人は開業資金をかけずに借り入れも少なく始める人が多いです。
わかっているから本質を、浮かれてないですよね。
脱サラ組はわかっていない人が多いかな、特に異業種からの飲食開業は(←あ、僕です)。
というわけで、こういったメモ書きでも脱サラしてラーメン店を開業したい人の一助になれば幸いです。
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